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プロテクトオニキス(ぷろてくとおにきす) 概要 リバースに登場した宝石系の装飾品。 登場作品 + 目次 リバース 関連リンク関連品 ネタ リバース 宝石の一種。打撃防御力+15。 ラジルダの装飾屋で1661ガルドで買える他、フィズシェルドとステルコーブが落とす。 リカバーオニキスとの合成でプロテクトトパーズになる。 分類 宝石 備考 - 効果 打撃防御力+15 買値 1661 売値 302 入手方法 店 ラジルダ・装飾屋 落 フィズシェルド(4%)ステルコーブ(7%) 合 プロテクトパール+リカバーパール ▲ 関連リンク 関連品 プロテクトパール プロテクトトパーズ プロテクトエメラルド プロテクトサファイア プロテクトダイアモンド ▲ ネタ プロテクト(英:protect)=保護 ▲
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黄色さんとプロテイン反応 化学Ⅱのたんぱく質の分野でらいと氏が編み出した究極(?)の暗記法。 αグルコースに濃硫酸とアンモニアを加えて穏やかに加熱した時に黄色になる反応で、本来の名称は「キサントプロテイン反応」なのだが、TH2の黄色と韻を踏んで色気を取ると本来の姿に戻る。 さあ、君もプロテインを飲んでたくましくなった黄色を思い浮かべよう。
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フリーデリケドロテアゾフィアフォンブランデンブルクシュヴェート(フリーデリケ・ドロテア・ゾフィア・フォン・ブランデンブルク・シュヴェート) 神聖ローマ皇帝の系譜に登場する人物。 関連: フリードリヒヴィルヘルム(7) (フリードリヒ・ヴィルヘルム、父) ゾフィードロテアフォンプロイセン (ゾフィー・ドロテア・フォン・プロイセン、母) フリードリヒニセイオイゲン (フリードリヒ2世オイゲン、夫) フリードリヒイッセイ(5) (フリードリヒ1世、息子) ルートヴィヒフォンヴュルテンベルク (ルートヴィヒ・フォン・ヴュルテンベルク、息子) オイゲンフォンヴュルテンベルク(2) (オイゲン・フォン・ヴュルテンベルク、息子) マリアフョードロヴナ (マリア・フョードロヴナ、娘) ヴィルヘルムフォンヴュルテンベルク(2) (ヴィルヘルム・フォン・ヴュルテンベルク、息子) フェルディナントフリードリヒアウグストフォンヴュルテンベルク (フェルディナント・フリードリヒ・アウグスト・フォン・ヴュルテンベルク、息子) フリーデリケフォンヴュルテンベルク (フリーデリケ・フォン・ヴュルテンベルク、娘) エリーザベトフォンヴュルテンベルク (エリーザベト・フォン・ヴュルテンベルク、娘) ヴィルヘルミーネ(5) (子) カール(34) (子) アレクサンダーフォンヴュルテンベルク(2) (アレクサンダー・フォン・ヴュルテンベルク、息子) ハインリヒ(38) (息子)
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トップページ>blouse>プランジングプルオーバーブラウス no.b0201 プランジングプルオーバーブラウス (廃盤) おすすめの生地 おすすめの用途 このアイテムについてコメントしたい方で、wikiの編集が不安な方は、以下の コメントフォームからどうぞ。 名前 コメント このアイテムを作ってみての難易度はどうでしたか? 選択肢 投票 難しいので初心者には無理! (0) 難しいけれどがんばればなんとか (1) 意外と簡単 (0) 初心者にもおすすめ! (0)
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③ランキング表示:現在のプレイヤーのランキングを表示します。(イシルロテ内) 上部タブにて、クラス毎のランキングに変更出来ます。 ①画面右下の「ステータス」クリック ②画面下部の「状態」の上部に自身のランキング表記
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既に原型を留めていない地形――― フルメタルジャケットで武装した小隊同士の貪欲な、殲滅戦じみた撃ち合い。 犯し合い、滅ぼし合い、食らい合う、この砲弾による削りあいはしかし――― この二人にとっては牽制の鍔迫り合い以上の意味を持たなかった。 先に仕掛けたのは高町なのは。 自らの陣地を捨て、王将に楔を打たんと滑空する。 しかし相手の弾幕をものともせずに蹴散らし、一度は敵を追い詰めたかのように見えたエースの飛翔は――― 相手の「弾幕」を超えた更なる魔弾の「壁」によって自陣に押し戻されれる事となる。 「くっ………」 強襲は失敗。 防壁のおかげで致命傷はないものの、被弾によってペースを乱され 決めにいって決められなかったという精神的な焦りも相まり 状況はなのはに約一秒のフリーズを強要する。 そして――彼女は識る。 現状、自分の置かれている状況を。 そして歯噛みするのだった。 「………いつの間に、こんな…」 「――――貴方がピュンピュン飛んでる時にコツコツとね。」 現在二人の立ち位置は地上の青子に宙空のなのは。 その周囲を色とりどりのスフィアが囲んでいる。 本来ならば仕切り直しの状態だが、スタート時と今とでは決定的に違うところがあった。 それは―――周囲を取り巻く100を超える魔力弾の中に桃色のスフィア…… つまりなのはのものが一つも無いという事。 「凄い空中戦法だったね。かなりビックリしたよ」 決して無傷ではないブルー。 身体のそこかしこに空戦魔導士の二度の近接攻撃を受けた擦過傷をしっかりと負っている。 だというのに涼しい顔をまるで崩さずに、彼女はその表情に笑みすら灯して語りかけた。 「でもさ、一つ聞きたいんだけど……二度目のアレ。 いやひょっとすると一度目からか。本気でやってなかったでしょ?」 そう、彼女とて気づいている。 この相手は自分に対して明らかに攻撃の手を緩めた。 仕留められる所で仕留めず、故に自分に三回もの反撃の機会を与えてしまっている。 自分らのレベルの戦いで相手に三回もチャンスを与えれば――引っくり返されるのは自明の理。 故に魔法使いはその迂闊さ、不明を責める。 「さっきので私を吹き飛ばすなんて造作もなかったハズ―――どうしてそうしなかったの?」 だが、その問いはなのはに取っては愚問でしかない。 相手をみだりに殺傷しない事を前提に戦うのが管理局の魔導士。 ひいては自分に科したルールなのだから。 「貴方も………手加減していた。」 「ん? ああ。これは別にね……手を抜いてたってワケじゃないよ?」 「嘘つかなくてもいいよ。だからこちらもこういう戦法を取ったんだから」 「で、まんまとしてやられたと? その余裕面は照れ隠しかね?」 「………」 初めの撃ち合いは二人にとっての鍔迫り合いだった。 だが、なのはとて百戦錬磨のエース。 多くの魔導士や騎士と交戦してきた経験から、手を合わせた時点で自ずと相手の力量を肌で感じる事が出来る。 故に敵の力量の底知れなさ――深さは十二分に感じていたし警戒も怠らなかった。 このまま撃ち合いを続ければ不利になるかも知れない――― その前に何とかペースを握ってしまわなくてはと思い立ってのチャージはしかし 相手に些細なダメージを与えた代償として、ガンナー同士の力比べの優劣を相手に譲ってしまった事になった。 周囲に散開する100以上のスフィア。 自分が操作出来る限界の――倍以上の魔力弾を縦横無尽に操作し 相手の軌道を読み、敵を追い詰める。 いつも相手に対して自分がやっていた事を遥かに高い次元でやられた。 なのはとて敵が自分の力量を上回る事など常に想定して戦っている。 場合によってはオーバードライブによるビット射出も視野に入れていたのだが―――この手数の差は…… 「凄いね………ケタが違う。」 「――それはどうかな?」 なのはの呟きを勝手に拾い、答えるのは蒼崎青子。 「単に選択肢の問題じゃないかしら。 貴方には空という逃げ場があって私にはない。 逃げ場がないから必死で撃ちまくる。 相手のタイプがどうであれ、それしか出来ないからそうする――それだけの事よ。」 それは特化型ゆえに一つの武器を磨き上げるという事だ。 「私もそのつもりで技を磨いてきたんだけど……」 「そうでもないでしょ? そんだけ飛べて、硬くて、敵と殴り合えればいくらでも選択肢はある。 少なくとも私よりはね―――」 翼もなければ立派な盾や鎧も持っていない。 脆弱なこの身で地上に根を下ろして戦わなくてはいけない。 故により速く、より多く、より強く――― そんな条件の下に、一息で間合いを詰めてくる疾風のケモノや不死身のバケモノ。 無限に増殖する怪異を砲殺してきた――――それはマジックガンナーの矜持。 「私の方が尖ってたって事かな。撃ち合いで負けたら商売あがったりですから♪」 「……………」 なのはの戦力が劣っていたのでは決して無い。 だが管理局に所属し、様々な任務をこなしていかねばならない身では特化した技術だけでは対応出来ない。 だから苦手な近接も必死で覚えた。幅を広げざるを得なかった。 どちらが悪いとか間違っているとかそういう事ではないのだ。 互いの在り方の違いが、今日ここで今回、たまたま結果に現れたに過ぎない。 なのはも重々それを理解していた。 故に曲がりなりにも自らの得意分野で上回られた事実に対し、動揺など微塵もなく―― 「じゃあ、そうゆう事で。」 ブルーの無慈悲な一言の元、今まさに襲い来る弾丸の雨を前にして 彼女は危機を脱するために高速で思考を巡らせる。 引き出しの中をまさぐる―――10年に渡る戦技の追求。 絶望的な戦況を幾多も引っくり返してきた「勝利の鍵」に諦めるなどという言葉はない。 そして辿り着いたのは最も古い―――なつかしい記憶。 親友にして最大のライバルである一人の魔導士との激戦。 その1000発にも及ぶ雷光の槍をその身で受けきった。 我が身の鎧を信じて耐え切った―――そんな記憶。 「あれは戦技っていうか不器用な力押しだね。 でも今はこれしか無い………原点回帰だよ、レイジングハート。」 Yes Master 数多の戦場を共に駆けてきた相棒に語りかけるやいなや――― 迫り来る魔力光をキッと睨みつけ――― 白い魔導士はほどなく、宙を焦がす爆炎にその身を包まれる。 ―――――― AOKO,s view ――― 「あー…………」 髪の毛をくしゃっとかきあげる私。 ちょっと誰かに聞きたいのだけど――― どなたか、あの子の知人がいたら是非、教えて欲しいんだけど――― ―――― 死徒か何かですか? あのコ と、私は降って沸いた疑問を誰とも無しに場に撒き散らしてみる。 格好から言ってアンドロイドの未来型・魔法少女とかそんなんか……と一人ツッコミも忘れない。 まあ、とにかく言いたい事はだ。 あのコは一体何なの?って話であり――― 突然なのは百も承知。 でもこんな突拍子も無い疑問を持った私を果たして誰が責められるだろうか。いや責められない。 予想してた展開はこうだ。 まず完全包囲されたあの子は360度、どの方向でもいいから逃げる。 一か八かのフライトで被弾しながら逃げまくる。 そこに―――半分ほど叩き込んであげる予定だった。 敵を包囲した場合、一点に逃げ道を作ってやれば 相手は溺れる者が藁を掴むかのように必死でそこへ逃れようとする。 包囲ボッコの基本はその作った逃げ道に相手を誘導し 自在にコントロールしながら的確に少しずつ削っていく事にある。 今回の相手は硬い子だから特に念入りにこねてあげようと思ったんだけど…… そして殻を剥いだ彼女に対し、残り半分は当たる前に相殺。 周囲で破裂でもさせて耳や目にダメージを与えるって寸法。 これでだいたい適量のダメージ―――気絶。 晴れて魔法使いを名乗る不届き者にお仕置き完了&情報搾り取ってメデタシメデタシ。 と、脳内でこういう絵を描いてたんだけど――― だからかね。 全く逃げもせずに仁王立ちでスターマインに対して向き合ったあの子を見た時、完全に絶句してしまった私。 多分、親にも見せられないマヌケ面をしていたと思う。 恐怖で硬直して食らったとかじゃない。 自ら受けた。受けるべくして受けた。 防護膜がどうとか言ってたから耐久力には余程、自信があるのだろうけど……それでもあれだけの魔弾の直撃よ? どれだけの衝撃になるか分かったもんじゃないでしょ? だから、撃たれれば死ぬ弱っちい人間に過ぎない身で――― しかもあんな細い線の女が――― そのテの選択肢を選ぶ光景を脳が受け入れられなかった……… それだけの事なんだけどね。 さて、濛々と立ち込める硝煙の中―――― 相手の姿は見えないが、いる。 私の魔弾掃射を虚仮にしてくれた女があの煙の向こうで私を狙っている。 見えなくても分かる。 小さいのをチマチマ撃ってたさっきまでとは明らかに違う。 控え目に見てもドデカイ魔力が爆発的に高まっている。 更にそれが一点に集中して―――その砲身が今、私の方に向いている。 「なるほど……ソレが切り札か」 私の攻撃を、耐えられるという確信を持って耐え切り あの煙の向こうで童顔の顔に似合わない獰猛な牙を研いでいるワケだ。 ああ、何かゾクゾクしてきた――― 両手をグーとパーにして胸の前でパン!と合わせる。 あれだけの魔力だ。 豆鉄砲で迎撃できるハズもなく、こちらもそれなりの物を用意しないといけないね。 さて………私に火をつけてくれた責任は重いからね……… 「さっさと来なさい―――受けたげるから」 煙に巻かれて未だ見えない空の相手に対し、私は一方的に吐き捨てた。 ―――――― NANOHA,s view ――― 「いたた………」 時間にして数秒。 感覚にして永遠に思えた爆撃。 でも―――何とか………耐えたよ… master... 途中、何度か意識が飛ばされそうになった。 今も油断すると視界がブラックアウトしそうになる。 結構、激しく脳を揺らされたみたい……唇を噛んで意識をハッキリさせる。 これで終わっちゃったら何のために耐えたんだか分からない。 master condition yellow 「うん、大丈夫……全開のプロテクションで何とかなったね。」 正直、キツかったけど―― でものんびりなんてしてられない。 敵はさっきの地点から一歩も動いていない。 レイジングハートが今、確認してくれた。 狙い通りってとこかな……… 速攻で弾道計算・射角修正といつもの手順を完成させて煙の向こうの見えない相手をロックオン。 勇気の心の名を冠する私の相棒。その柄をぎゅっと握り締める。 慣れ親しんだその感触――それが私にいつも力をくれる。 「今度は……………こっちの番だよ!」 ―――――― ―――――― 今まさに破壊の鉄槌を振り下ろそうとするSランク魔導士。 それを真っ向勝負で斬り返さんとする魔法使い。 尋常ではない力量の二人の魔力の高まり、気力の昂ぶりに渓谷全体の空気が震える。 その押さえ切れないほどの魔力を先に放出したのはSランク魔導士。 砲撃魔法――高町なのはの代名詞にして自信のキャリアにおいても最も愛用した その技の名前を歌うように高らかに紡ぎ出す。 「ディバイイン………バスタァァァァァーーーーーー!!!!!」 桃色の荒れ狂う閃光はまるでブレがなく、見事なまでの直線を描く。 大気を切り裂き、煙幕を吹き飛ばし、その向こう――― 目標、ミスブルー蒼崎青子に迫る。 「ふぅぅぅ―――」 コンマ一秒後には始まるであろう 野蛮で、粗野で、ひたすら暴力的な力比べを前に一息―― 身体中に万遍なく酸素を取り入れるべく一息―― 魔法使いは深く深く、その場で深呼吸をする。 「ふっっ!!」 そして短い息吹を一息! 用意していた渦巻く破壊の力。 その爆発的に暴れ狂う渦をカタチに変えて――― 青子は左手から解放する。 己が渾身の一撃を。 ―――――― NANOHA,s view ――― 耳をつんざくような衝突音―――― 「く、うっ……!?」 予想外の衝撃に驚く私……! この感覚は間違いなく魔力がぶつかり合った時のものだ……! こっちの砲撃が読まれていた? 敵を撃ち抜く筈のディバインバスターがカチ合った、まさかのカウンター。 煙は晴れ、私と青子さんの姿が浮き彫りになる。 大気が一瞬のうちに霧散し――― そこにはデバイスから桃色の砲撃を撃ち放つ私と 左手から青白い魔力砲を撃ち出す相手。 その中央で相争う極大魔砲の奔流を映し出す。 ギャリギャリギャリギャリ、!と、鼓膜を捻じ切るような 互いの相反する力が激突する音が周囲に木霊し世界を震わせる。 私の放った砲撃に真っ向から砲撃を被せてきた。 そうだ……あれだけの砲戦を行える人だ――― 大砲を持ってないと考える方が不自然だった……! レイジングハートは相手の砲撃の動作や魔力波を感知しなかった。 という事はこれだけの砲撃をまるっきりタメ無しで撃ってきたんだ。 抜き打ちの砲撃でカウンターを狙ってきてこの威力……つくづく油断出来ない相手だ。 私のバスターと相手の砲撃は今のところ、全くの五分。 空間の中央で耳障りな音を立てて押し合い鬩ぎ合っている。 だけど――― 「ブラスター…………1」 私はすかさずオーバードライブ―――限界突破モードの安全装置を外す。 相手はまだ全然底が見えない。 余力を残して不利な状況へ追い込まれては意味が無い。 なら、今日はここで一気に決めた方がいい……! 「ブラスターシステム起動………モードリリース!!」 私の言葉が届くや否や、ドクン、という体幹の芯に響くような衝撃がこの体を襲う。 限界を突破した事による過負荷が全身を貫く。 この感覚だけは――何度味わってもキツイ…… しかしその代償と引き換えに私の砲撃は加速度的に水増しされていき 相手の砲撃を飲み込んでいく―――― 「なっ!??」 敵が目を疑い、驚きの声をあげる。 見る見るうちに私の砲撃に飲み込まれていく彼女の青白い砲撃。 こういう勝負に持ち込めば――少しは自信、あるんだ…… 相手があの聖剣や乖離剣でなければの話だけど。 「ぎっ――――」 飄々としていた彼女の顔に焦りが浮かぶ。 互角に見えた力比べ――まさか相手の力が一気に倍近くにアップするなんて事態 想像できる人はそうはいない。 今度こそ決まった、かな? 出来ればこれでKOしたい。 これは感だけど―――彼女相手にあまり長引かせたくないという予感があったから…… ……………………… だけど――――そこで彼女は信じられない事をしてきたんだ…… ……………………… あるいは私の予感はもうそこで当たっていたのかも知れない。 この相手の底知れぬ力。 何をしてくるか分からない天衣無縫な様相。 こういう時、悪い予感は当たるものだって改めて思う。 「どっこいしょおおおおっ!!!!」 彼女のスゴイ掛け声と共に、私の目の前でそれは起きた。 自己ブーストにより水増しされた私の砲撃が自分を凌いでいる。 それをいち早く察知したあの人は――― バスターに飲み込まれる前に力勝負を捨て、何と自らの砲撃をカットしたのだ。 当然、そんな事をすれば拮抗していたエネルギーの余波が全て自分に降りかかり 防御も迎撃もならないまま、為す術も無く吹っ飛ばされる。 だから目の前の相手も当然、そうなる筈だったんだけど――― 何て言ったらいいのか…………結論だけ言うと… 私の砲撃はスレスレで青子さんに当たらず その横を掠め、誰もいない大地を抉り取っていた…… 「そ、そんな……!?」 思わず声をあげてしまう。 砲撃同士がぶつかり合ってる最中に―― 強引に半身を切って体をずらし―― まるで当然のように回避行動をしてきた事に対する、それは尽きせぬ驚きの声。 何ていう、無茶…… 彼女のTシャツの背中の部分が私の砲撃で軒並み吹っ飛び、その肌を露にしている。 左手のみの片手撃ちの体勢だったから比較的容易に出来た半身切りの回避。 とはいえ―――成功する確率は絶望的に低いはず。 下手をすれば体の半分を砲撃に薙ぎ払われて勝負はここで終わっていた。 「よーし―――賭けは私の勝ちだ! 支払いはキャッシュでね。」 「くっ!!?」 まずい……… 私も急いで自身の砲撃をカットする。 シューター同士の戦いで相手の大出力の砲撃を透かしたその時こそが自信の決定的なチャンスになる。 つまり今、砲撃中の硬直時間に囚われ、間抜けな横っ腹を晒している私こそ――彼女にとってのまな板の鯉……! 「せぇぇぇぇぇいっ!!!!!!!」 「!!」 そして今の無茶苦茶な曲芸じみた回避とは違う本物の神業。 それを私は見る事に―――ううん、その身に受ける事になる。 回避した敵が右手を私にかざす。 その一連の動作は私がディバインバスターをカットする動作より二拍子は速かった。 捨て身のブラスターで決め切れなかった事で隙を晒した私に対し 回避行動による反動を利用して、彼女は地を踏み締め、二発目を撃つ! 大砲の連射―――― 迫り来る青白い光を見据えて唇を噛む。 私だって砲撃は沢山撃ってきたし、少しは理解してるつもり。 だから断言出来る。 大砲は連射出来ないから大砲っていう名前がついている。 だから本来、あんな頻度で撃てる者じゃないという事を…… 無理すれば出来ない事もない。 けれど、まず間違いなくデバイスや魔力回路に多大な負荷をかけてしまい 悪くすれば砲身その他が焼け付いてしまう事だってある。 それを―――見たところ素手で デバイスすら持たない人がやってのけるだなんて、出鱈目としか言いようが無い…… 「………間に合って!」 ともあれ今は、あれをどうにかしなくちゃ……! いくらBJを纏っていても直撃したらただじゃ済まない! ほとんど強引に砲撃を中段し、無理やりシールドを形成する。 まるで練りあがってない粗末なものだけど――無いよりはマシだ! ――――――、そして、被弾が………来た! 「く、うぁっ……っ、」 凄まじい衝撃が体を襲う。 防御ごと削られていく感覚。 魔力と魔力の激突する余波が全身に突き刺さり 受け止めたニの腕が引きつりそうになる。 ひたすら耐える……… 耐えるしかない! つくづく信じられない。 連射によって威力は下がってるだろうと、そんな希望的観測をぶち壊すような さっきの一撃目と何ら変わらない二撃目の砲撃が私の防御を犯していく。 ああ、そうか…… 多分―――これ、一連の技だ。 じゃないと、苦し紛れに撃ったモノでこの威力は説明が付かない。 一撃目は左。 二発目が右。 左右一対の高出力連砲撃があの人の切り札だったんだ…… 彼女のその言葉通りのまさしくそれは賭けだったんだろう。 配当の高い賭けに出た相手を私が一撃目で潰せればよし。 それができなかったばかりに――敵に高い支払いを与えてしまった。 (手に、力が入らなくなってきた……) BJの耐久力に任せてもう一度チャージを敢行する? そんな考えが頭をよぎるのも一瞬――― 「あ、…………」 そういえばこんな光景、前にあったような―― そんな場合じゃないハズなのにまたも昔の記憶に苛まれる。 ああ、そうだ…… これ、私がフェイトちゃんに勝った時の光景に似てる。 総合力で遥かに上回るフェイトちゃんに対し、起死回生のチャンスを掴んで砲撃を捻じ込んだ。 ただ記憶と違うのは今、砲撃を打ち込まれてるのは私だって事。 皮肉にもまた私は自分の得意パターンでこの人にやられてる。 何かちょっと悔しいな…… と、そんな事よりも―――どうしてここでそのような光景を思い出してしまったのか それは多分、意味の無いデジャビュなんかじゃない――― それは私と相手が互いにガンナーを目指す者同士だから――― だから………理解したんだ。 だから同じ光景を見る事が出来たんだと思う。 そのフィニッシュに繋がる一連の光景を――― しかして二発目を何とか凌いだ私の目に―――最初に飛び込んできた光景。 「これで、どうよッ! スヴィアブレイクッ スライダァァーーーーー!」 それはあまりにも予想通りの―― 私に向かって飛翔し――― 伸び上がって右足で蹴り上げるように撃たれた――― 魔法使い、蒼崎青子さんの―――― 有り得ない、三連発めの砲撃だった…………… ―――――― ―――――― ―――スヴィア・ブレイク・スライダー 「破壊に特化した」ミスブルーの魔術最大の奥義。 高速詠唱による全開魔力放出の三連撃。 幾多の闇に巣食うバケモノ達を問答無用で消し去ってきた破壊の極地。 10の力に対し15の砲撃で一度は優位に立ったかに見えたなのはだったが 10+10+10の力を叩き込まれては為す術も無く―――― 青白い破壊の奔流が巨大な蛇の如く鎌首をもたげ 宙空に真っ直ぐな線を描いて高町なのはを飲み込み――― ここに勝負は………決した? なのはのいた空に既に人影はなく、その真下の大地に堕ちた形跡もない。 三発目の砲撃に対し、彼女はバリアもシールドも張る事が出来なかった。 いかに重装甲を誇る彼女でも完全に無防備の状態であの力の塊をまともに受ければただでは済まない。 エースオブエース・空の英雄の消えた大空に その名残を惜しむかのように一陣の風が吹き付ける。 ―――――― AOKO,s view ――― 私が力負けって…………何つう馬鹿力だ。 一瞬、マジでびびったけれどそこはホラ、勝手知ったる何とやら。 体が何とか対応してスヴィアブレイクに繋げましたよっと。 もっと、二発目で決めるつもりだった――― 三発目なんて撃つつもりなかった――― 力自慢の人間ほどあの一撃目のスカしに対応できない。 完璧なタイミングでのクロスカウンター。 ほとんどまぐれだったんだけれど……… しかし彼女はそれにすら反応して防護盾を形成。 私の二発目すら凌ぎかねなかった。 並の反応速度、判断能力じゃない。 追撃してしまったのは私自身が自分で考えるよりも遥かに火がついてたのと こいつは撃っても大丈夫、という予感めいたものだった。 そもそも、戦ってすぐにこのコに違和感を感じていた――― 何の躊躇いも無く「魔法使い」を名乗っている。 私が魔法使いだと言っても無反応。 まるで何も知らない駆け出しのヒヨッコじゃない? だのに……えらく強い。 魔術師にしろ何にしろ強いに越した事はないけれど、目的はあくまで真理の探求。 根源の渦。6法。何でもいい。 普通では到達し得ない境地への挑戦とかそんな感じのやつ。 多くの魔術師がそういう場所を求めて現世を這い回るんだと思う。 だからはっきり言ってしまうと――― 魔術師とかそういう人種は戦い専門ってわけじゃない。 ソレを専門にしてるのは戦士って言うんだよね………RPG的に。 そう、彼女に抱いたのはそんな違和感。 あの子はまるで魔力を「戦う」事自体を目的として磨き上げたような――― 魔法使いはもちろん魔術師とも一線を画した在り様の娘である事を、その戦いにおいて私に感じさせた。 魔術における技術では私の勝ちだった。 撃ち合いという(恐らくは)相手の得意分野でねじ伏せてやった。 にも関わらず――― 力で負ければ技でいなし 技で上をいかれたら力で押し返し 全て負けたら戦略で覆す。 あげく私に全開三連打を出させて、なお――― 「こういう事になっちゃってるワケで……」 何とも言えないといった表情で たった今、動きを封じられた自分の姿を見やり………一人愚痴る。 三発目の自分の追撃――― レイジング・スターレイの直撃を受ける瞬間 相手の高速移動(フラッシュムーブと言うんだそーだ)による回避がギリギリ間に合う。 そのまま私の斜め後方の上空に身を移した彼女(と言っても私にはその動きを追えなかった)が 全魔力弾を解放。 私の周囲を完全包囲。 そのまま捕獲魔法で形成された、四肢を縛る手械のようなものでこちらを捕獲する。 そして立ち位置的にも私が何らかの方法で枷を破って反撃に出たとしても 必ず自分の砲撃が早い―― そんなベストポジションにて完全にこちらをロックオンしていた。 僅か数秒―――それが、私の三発目が彼女に届いたと見てから費やした時間。 全力魔力放出後のこちらの僅かな隙を突き返してきた―― こちらが反応すら出来ない電光石火の早業を敢行した白いヤツが―― 私の上空、斜め後ろから偉そうにこっちを見下ろしていた。 前 目次 次
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相手の減速にまるで示し合わせたかのように 黒いスカートで覆われた腰がサドルから浮き 身を乗り出して重心をぐんと前に倒し、、 その非力な二輪車は――― 峠を駆け下りる流星となった 「な、、なに…!?」 サイドミラーを見ながら飛び出すタイミングを見計らっていたシグナムが歯を食い縛って唸る 一旦は突き放したかに見えた相手が、恐るべき速さで追い上げてくる それは競輪選手がスパートをかける時の立ち漕ぎに相違なく 自転車は人力であり、エンジンに当たる部分がその両足であるのなら、、 彼女の両足に潜む力はもはや地球上に現存するあらゆる生物を凌駕しかねない もっともこんな漕ぎ方を女性が、しかもタイトなミニスカートで ぎりぎり腰上を覆ったような格好の女性が間違ってもするべきではない 何故なら、、 「おい、中が見えてんぞ中が」 「所かまわず発情するとは、貴方の二つ名は伊達ではないという事ですか」 「抜かせ……誰が貴様の尻など好んで見るか」 倫理的に男性にとって 目のやり場に困る光景が展開される事になるからだ もっともこの女性の正体を知れば、そんな恐ろしいモノに 劣情を催せる男など数えるほどもいないであろうが、、 ともあれ勾配のきつい下りをまさに自殺行為としか思えない勢いで下っていく自転車 加速による暴風はもはや台風クラスであろう そんな中、平然と談話している相手の様はもう冗談としか思えない光景だった 「こんのヤローー!!!」 先ほど槍を突き入れられ、穴の開いたクルマのボディから 上半身を覗かせたのは小人の少女、アギト 融合デバイスでありながら、自身も炎系の魔法の使い手である彼女 その手に得意の炎弾を具現させ、、 今、眼前に迫る怪人にぶちまけたのだ 迫りくる火の玉の雨あられ まるで数百発のロケット花火を同時に打ち込んだかのような凄まじい弾幕が二輪を駆るライダーを襲う だが、、、 どれほど豪壮であろうと、たかが花火で自らの愛馬を駆る騎兵を止められる筈がない まるで炎弾の間と間を縫うように、その頼りない車体が 右へ左へとあり得ない挙動をアスファルトに刻み その炎熱の道を掻い潜ってくる 「このサーカス野郎!! 来るんじゃねぇ! 止まれぇぇぇ!!!」 剣の精が絶叫交じりに手を振りかぶり お次に出したのは、その狭い道一杯に広がる炎の壁 真紅のカーテンを思わせるその灼熱の防壁が 後方より猛追する化け物ライダーの進行を阻もうとする が、、並の炎などこのサーヴァントの女性を そして後部に座す槍兵の体を焼く事などかなわない アギト渾身の燃え盛る壁はまるで障子を突き破るかの如く 炎の中に何の躊躇いもなく直進したライダーが その壁を突き破って、何事もなかったように追走を続ける 「信じられねえ……何だよあのチャリ、、 実は高性能デバイスってオチじゃねえだろうな……」 「もしそうならシャーリーに持って帰ってあげれば喜びそうですね」 「やめろ、、何とかにハサミだ」 相手のあまりの非常識っぷりに もはやげんなりするしか無い三者 しかしながら、追われているのは自分たちだ ことにハンドルを握るフェイトは、同時に隣にいる二人の命運も握っている 冗談では済まされない U字の形をしたきついコーナーにさしかかり フルブレーキをかけるフェイトの車体がグリップの限界を超えて横に傾く 「くっ!?」 限界を超えてしまった車体を制御しようと逆ハンドルを切るフェイト 空戦の姿勢制御では一級品の彼女であるが フェイトは当然、モーターレース等で活躍するプロのドライバーではない 自身とは比べるべくも無い鈍重で重い車をそこまで完全に支配するスキルはなかった そんな黒い車体が身の毛もよだつスキール音と共にボディを泳がせるコーナーに 何とノーブレーキで突っ込んでくる、火の玉と化した二輪車 ギャリギャリ、とチェーンが軋む音が響き その細いタイヤからはレーシングカーのそれのように火花が飛び散っている 「―――往きますよ、、参号」 それは眼帯の女から 己が手綱を任せる貧弱な機体に向けての言葉 静かながら、騎兵としての誇りを乗せた言葉と共に、、、 二輪の操車、サーヴァント=ライダーは 黒い車体に体当たりするかの如き速度でコーナーに突っ込んだのだった ―――――― 腰下までかかる紫紺の髪が凄まじい向かい風に煽られ それ自体が独立した生き物であるかのように空に踊る そしてネコ科の獣が全身のバネを総動員する時に取る猫背の姿勢に酷似した姿で 眼帯の女は両の手のグリップを捻じ切らんばかりに握り締め、足下のペダルを蹴りつける 光差さぬ林道を弾丸のように駆け抜けるその姿は まるで一匹の神獣が疾走してくるような桁違いの迫力を以って ライトニングの二人に迫っていた 理論上、二輪は四輪にはコーナーインのスピードでは絶対に勝てないと言われている 何故ならば四つのタイヤを使ってそのボディを支える四輪に対し 二つのタイヤしか使えない二輪は地面に対するグリップが圧倒的に少なく、アドバンテージを稼げないからだ だがその不利を覆す、二輪のライダーならではのコーナリング技術がモータースポーツには存在する それが自由度の高い二輪ならではの ライダー自身の体重すら利用した荷重移動――ハングオンである あろう事か、明らかに二つのタイヤのグリップを超えるスピード というか全くの減速無しでコーナーに突っ込んだ騎兵 横滑りする二つのタイヤ 制御を失い、吹き飛ばんとするその車体を 女は地面に押さえつけるかのように車体を倒し 凄まじい角度でのコーナリングを敢行する ほとんど地面と平行になる体 アスファルトスレスレに傾くほどのハングオン 何とその剥き出しの肘と膝を地面に擦り付けてのライディングは 道路に黒と赤のベルトのような軌跡を刻んでいく 黒はタイヤの削れた跡 赤はライダーの右半身の 削られたヒジとヒザから付着した血肉そのもの この速度だ 彼女の肉体は公式のスポーツのように分厚いパッドの保護など受けてはいない 地面に擦り付けられるその白い肘、膝が大根おろしのように肉や皮をこそぎ取られ 程なくして骨にまで達するような重症となるのは明白だった で、ありながら それでも女の繰る自転車は確実に 先に侵入した相手の車にみるみる迫っていく そうだ――彼女は騎兵 あらゆる騎馬を使役し、誰よりも早く世界を駆け抜けるもの 相手が何人であろうとも、自分の前を走らせるわけにはいかないのだ 自転車の操車のただでさえ表情の読めない 目隠しで隠れたその相貌に今、 「、ふッ!――――」 確実に力が篭る 右半身のヒジ、ヒザは地面を噛み、ダウンフォースを稼ぐのに使用 そして空いた左半身が今、横滑りする車体を前に押し出すエンジンの役割を果たす 女の口元がギリっと歪み、牙を含んだその歯を食い縛る音は 車体が風を切る音に寸断されて消える 地に擦り付けられている右の手足とは逆の足 それが今唯一、操車が自由になる箇所だった だからといって常人ならば、右側から叩きつけるように襲い来るGの影響で 余った部分は車体から飛ばされないようにするのが精一杯のはず だからその左足を自在に使いこなし 左足のみのペダルワークで、まるで電車や機関車の車輪を回す骨格の如き速度で ホイールを回転させていく姿はもはや曲乗りの域 超高速で回転するチェーン それによってぐんぐんと前に押し出されていく車体 人間の常識では有り得ないライディングによって 尾を引いた流星の如き暴力的な速さでコーナーを駆け抜ける自転車が フェイトの繰るクーペに迫る 重量など今更比べるまでも無い フェイトのクルマは3~4トン以上 ライダーの自転車は後部座席の槍を担いだお荷物を含めても100キロ前後だ 軽量、馬力、コーナリングフォースを全て得た騎兵の乗る自転車が 今や再び重厚な黒いボディを追い立て、並走する羽目になったのも当然の結果だった 「こ、これ以上は……!」 「くそ、、」 フェイトが歯噛みし、シグナムが舌打ちしながら今一度、剣を構える コーナリング最中にてサイドバイサイドで並ぶ両者 互いに凄まじいGが肉体にかかる最中 その自転車の後部席に座す男が再び槍を構えた 苛烈なライディングの中、男の両手は常に長物によって塞がっている そう、、今までこの男は両足の力だけで踏み場部分を挟み込み 車上でのバランスを完璧にとっていたのだ そしてそれは今現在、車体が地面とほぼ平行に傾いている最中でも同じ事 両腿にてガッチリと後部席に固定された体は決してその暴れ馬から振り落とされる事はなく それどころか、男はハングオン最中でありながら身を乗り出し半立ち状態になる 未舗装の峠の道路の中、跳ねる車体の上で しかもコーナリング最中でありながら、まるでぶれずに 真紅の魔槍を手に持ち、右中段に構えて見せたのだ 赤い光沢を称える槍よりもなお紅い 男の双眸がギラリと光る そして、、 カーブに手間取るフェイトの車を完全に抜き去るライダーの「参号」 その追い抜き様に――― ランサーが、構えた槍を車の後輪に渾身の力でブチ込んだのだ 「う、、あっ!?」 自らの愛車に起きた異変 それが取り返しのつかないものである事をステアリングを握るフェイトに分からぬ筈がない 右下半身が一瞬浮き上がり――そして地に叩きつける感触に顔を青くする魔道士 彼女の脳裏を過ぎった光景の通り、車の右後輪はあえなくバースト 否、その男の突きの威力はホイールを難なく木っ端微塵にするほどのものだった 黒いボディが大きく傾く コーナリング最中にリアのグリップを失えばクルマがどうなるかなど今更言うまでもない 荷重の抜けた車体後部があえなく空転し――その狭いカーブで時計回りに一回転 盛大にスピンした車体を立て直す術はもはや無く フェイトとシグナムを乗せた黒いボディがガードレールに激突 静寂の支配する森に、凄まじいクラッシュ音が鳴り響く 「ああっっ!!?」 車内に走る衝撃と振動は凄まじく、二人と一体の身体を上下左右へと叩きつける もはやシートベルトなど何の役にも立たない 短い悲鳴を上げるフェイトを嘲笑いながら、その手を拱くは死神か―― 3トンを超える鉄の塊はガードレールを巻き込み それを容易く突き破り―― 漆黒の渓谷へとダイブ 遥か崖下へと転落していったのだった ―――――― アスファルトに帯のように刻み込まれた焦げ臭い跡 黒い飛沫、そして内溶液が飛び散り オイルの独特の匂いが鼻につく 一般の自動車を最悪の事故から守るために設けられた長いガードレールは今、無残にひしゃげ 真ん中からその過度の負荷に耐えられずに捻り千切れている この光景――狭い山道の中腹で 大惨事に繋がる事故が起こった事を容易に想像させる 後続の玉突きが起こらないのは不幸中の幸いか そう、後続の車など来る筈がない 何故ならここは彼らが踊るための彼らだけの舞台 セカイはその他一切の生物の存在を認めてはいないのだから 一体誰が、誰のために用意した演出なのか 渦中の者達にそれを理解する術はない ともあれ、時間にして実に数分弱―― 電光石火のカーチェイスはこうして幕を閉じる 奈落に落ちていったダークメタリックのクーペ そのボディはグシャグシャに潰れ、立派なフォルムを誇る大排気量のスポーツカーは見る影もない有様となっているだろう 最もバトルを制した方も無事ではなかった 操車である紫の女性の乗っていた自転車は今 サドルも、ベダルも、ハンドルも、チェーンも、一所には無い 最後のコーナリング 相手のクルマを崖に叩き落してほどなく、、 限界を超えたライディングに耐えられなった二万円弱の汎用自転車はまず前輪、後輪共にバースト 宙に吹き飛んだ車体がフレームを残し、焼き切れ、捻じ切れ、ひしゃげ―― 文字通りの空中分解を起こし、乗車していた二人を上空へと投げ出していたのだ あんな速度で、しかも横Gの多分にかかった状態で空へと飛ばされたのだ 操車とも間違いなく地面か周囲の木にに叩きつけられ、または崖に投げ出されて即死だろう こんな大クラッシュから生還出来るわけが無い そんな芸当をかませる人間などこの世にいるわけがない ―――ズシャリ、 だからこそ、、 このような陰惨な大事故の渦中にあって 何事もなかったかのように地面に佇むこの二人こそ―― 正真正銘、人間を超えた存在であったのだ 実際、この両者はヒトと比べるのもおこがましい存在 とある儀式によって現世に呼び出された一つの奇跡の体現 地上にその形を成した英霊、、サーヴァントと呼ばれる人外の存在である 髪も衣装も深い紫に全身を覆われた美しく妖艶な女性 先ほどまで絶技を繰り、二輪を駆っていたのが 騎兵のクラスに召還されたサーヴァント=ライダー 装飾の無い、質素な蒼いボディスーツにその身を包み 目を引かずにはいられない、紅い不吉なオーラ漂う一振りの槍を携えた男が 槍兵のクラスにその身を置くサーヴァント=ランサー いずれも、地球の伝承にその名を連ねる 伝説上の存在――具現した神秘そのものである 「…………あの一撃目」 未だ激しいデッドヒートに空気が震える最中にて 紫の女性、ライダーが槍の男に問いかける 「手加減したのですか?」 「んなこたねえよ」 「ほう、、」 抑揚のない女の声であったが そこには微かに非難の色が点っている 「機先を制していながら、あのような体勢の整っていない者を討ち漏らしたと? 必殺の槍も随分と錆付いたものですね」 「いーやいや、、並の奴なら為す術も無くおっ死ぬ程度の力は出したぜ?」 窮屈な箱の中だったしな、と付け加えるランサー 女のため息が漏れる それはつまり、手加減したと言っているようなものだ 戦好きの戦闘凶の遊び心が出たのだろう、、全く困ったものである 「というか、我々は自らの足で走って強襲をかけた方が確実だったのでは…?」 「戦にもな、様式美ってもんがあるんだよ 良い戦車戦だった……堪能したぜ、久しぶりによ」 核心を冷静についた騎兵の言葉など男は聞いちゃいない 古アイルランドの大地を豪壮な戦車で走り回った過去を思い出し、目を細めるグラディエイター 「戦車、ですか? あれは私の新車の参号君ですが」 「うるせえんだよお前は……細かい事をグチグチと ま、どの道、初顔合わせの挨拶としちゃこんなもんだ」 思い出に浸るのを邪魔されて口を尖らせる男が意味深な言葉を吐き、、 そして―――後方へ向き直った その横、ライダーもまた同様に 先ほどのコーナリングで傷ついた肘から滲み出す血をペロリと舐めながらに振り返る それはその視線の先に二つの気配、、 佇む影を認めての事 怒気と戦意を含んだ猛々しい気を放つ影を後ろに控えたサーヴァント二体 男は飄々とした笑みを、女は無表情を崩すことなく その相手に十分な余裕を以って振り返り、相対したのだった その相手とは言うまでも無く谷底へと落下していく車の両ドアから脱出した 機動6課ライトニング隊の隊長、副隊長に他ならない 黒のインナーに白いマント それに巨大なサイス型の杖を手に持つ黒衣の魔道士、フェイトテスタロッサハラオウン そして、薄い赤と白の戦装束にその身を包み 桃色の髪を後ろで縛った剣の騎士、シグナムである 「貴様ら……」 明確な殺気を放って対峙するシグナムが怒りの声を上げる あれだけの事をしておきながら余裕満々で立つ二人を前に 少なからず苛立ちを覚えたのだ 既に二人は、相手がどう出てこようと対処できるようBJを纏った完全武装体勢である にもかかわらず、、、その緊迫感とは裏腹に 騎士がその横にいる友の様子に気づき、訝しげに横目で見やる 謎の怪人相手に武装し、得意武器のサイスを以って相対している彼女であったが 何かこう心ここにあらずというか――精彩を欠いている感が見て取れたからだ どこか、目が呆然としている節がある 「テスタロッサ?」 この友人は極めて優秀な執務官にして武装隊の一員でもある 敵を前にしてこのような呆けた態度を取るなど有り得ない 声をかけるシグナムであったが、、、 (…………、、) その理由に程なくして気づく騎士 フェイトのその意識は今、確実に自分らが落ちていった谷底に向けられている 否、自分らではなく―― その為す術なく落ちていった―― 己の愛車に、、向けられている…… 「集中しろテスタロッサ、、敵の前だ」 それに思い至り、友の傷心が痛いほどよく分かるだけに 叱責を飛ばすシグナムの声にも今一張りがない 執務官―― 管理局の司法を司る役職であり しかしながら地球の検察などに比べ、遥かに荒事や現場投入される割合の高い 実戦を多分に伴うトップエリートである 素養、才能、経験、培ってきた能力、そのどれが欠けても給仕する事適わない 管理局において花形ともいえる、倍率一万~二万分の一では利かないほどの重要な役職であった しかも犯罪者との度重なる交戦、戦地に赴く率の高さから存命率の低い仕事であるが故に その数は局内でも極めて少ない だからというわけではないが、その執務官の局内での待遇 特に給与関係は、老若問わずかなりの高待遇となっている 若くしてその狭き門をくぐり抜け、執務官として飛び回ってきたフェイト だがしかし、その懐は―― 給金の高さと比例せず、決して潤っているわけではなかった 何故なら彼女は自分の信念、、自身の幼少時のような 辛く苦しい思いをしている孤児や特別な事情を抱えた子供を 引き取ったり、世話をしたり、目に留まった孤児院や設備に寄付をしたりと 事ある毎に多額の出資をしていた いくら高待遇だとはいっても、個人レベルでそこまでの活動をしている彼女である 財政が潤うはずもなかった しかしながら、それが今のフェイトの生きる理由の一つであり、進むべき道である以上 彼女のどこにそれを悔いる気持ちなどあろうか? 元々がほとんど物欲を示さないフェイトである 自分のために使うお金など口に糊する程度でよい、、 少しでも困っている人のために役に立ちたい それは、自身の無二の親友と共に歩もうと決めた尊い想い その、気を抜くとあっという間に先へと行ってしまう親友に追いつき一緒に飛ぶために そのために注ぎ込む出資、努力を彼女は全く惜しまない 惜しむわけが無いのだ、、このフェイトという女性は だが、そんな己の欲にまるで乏しいフェイトの初めての大きな買い物が―――あの車だった それは今回のように仕事で使う事が大半であったが 忙しい中のたまの休日 子供のように可愛がっているエリオやキャロを乗せてハイキングにいったり 高町なのはを助手席に乗せてドライブしたり そんなささやかな幸せを謳歌するために購入した 彼女唯一の慎ましやかな贅沢――幸せの詰まった黒い箱だった ソレが今、、、 暴漢の手によって無残な鉄屑と化し 谷底へと消えていったのだ その失望と悲しみは想像するに余りあるものであろう 「……テスタロッサ!」 シグナムが再び強い口調で戦友の名を呼ぶ 「―――大丈夫です」 乾いた声で答えるフェイト 「ただ……まだ少し支払いが残っていたので、、どうしようかな、と」 はは、と形だけの笑みを作る執務官 その様子は目を逸らしたくなるほどに痛々しい 「保険で払って貰え…」 こんな時、上手く慰めの言葉を紡げない不器用な将が 言葉足らずのフォローを入れるが、、 「いや、そいつは無理じゃねえか?」 相槌の声は意外なところからかけられた そのフェイトを悲しませている原因を作った目の前の男が 肩に槍をトントンと担ぎながらに、飄々と口を挟んできたのだ 「保険ってのは確か対象の具合によって金額が決まるって話だろ? 半損か全損か? 部位は? 状況は? 五月蝿いくらいに状況を鑑みて、初めて支払われるわけだが――」 チラっと谷底を見やり、 「あれじゃあ、なぁ…」 まるで他人事のように口ずさむ男 「確かにあれでは査定のしようがありませんね 事故の状況を説明するにも、この状況では――」 そして隣の女性がソレに続く 「自転車に乗った二人組の男女に車ごと突き落とされました―― このような説明では冗談としか受け取って貰えません それにあの奈落の深さでは、物品の回収も絶望的でしょう」 37 :フェイト&シグナムVSランサー&ライダー 前編:2008/12/18(木) 19 43 12 ID ujuM5JiV つらつらと並べ立てる言葉には、何故か凄まじく説得力があり だからこそこの両者の外見や佇まいからはあり得ない不自然さを醸し出す まるで色々なアルバイトに従事して、やけに世俗に詳しいフリーターであり まるで古書や骨董品のバイトで、査定というものに精通するパートさんのような口ぶりである 「―――かまいません」 やがて (この執務官には珍しく) 強い口調で言い放つフェイト このようなどう見てもマトモではない 実際、人外の存在であるサーヴァント相手に 地球の常識で後れを取ったライトニングの二人であったが、、 「あなた方を捕らえて――弁償してもらいますから」 そんな軽口に乗ってやれない程に この心優しい雷神は怒っていた 本来ならここで犯罪者に対しての勧告、警告をしなければいけないのだが そんな基本もすっかり頭から吹っ飛んでいる どれほどまでにショックだったのか言葉で言い表すのも難しい 「そいつは困った……俺、カネねえんだよ」 「私は居候の身ですから」 そんなフェイトに対し、実行犯の二人はどこ吹く風である 「まあ私の愛車もあの通り木っ端微塵なので それで痛み分けという事に」 「なるか……ふざけるな!」 横から怒りの口調を叩きつけるシグナムもまた 相手の得体の知れない余裕、ふざけた態度に苛立ちを露にする 「そうだな、まあ……アレだ そういう事なら俺に良い考えがあるぜ?」 後ろ手に頭をポリポリと掻きながら 男が相手の怒りをなだめるように割って入る 親近感の沸く表情は、こんな事態でなければ恰幅の良い青年にしか見えない まるで心底悪いと思ってるかのような男の様相 顔を唸らせ、一言一言選ぶように言葉を紡ぐ姿に邪悪なものは感じない そんな男が、、、 「死ねば―――少なくとも残りの支払いからは解放されるぜ?」 不意打ちのように獰猛な殺気を解放した 「「!!!」」 臨戦態勢を整えていた筈のフェイトとシグナムの心胆が まるで氷をブチ込まれたかのような寒気に襲われる そう、先ほどまでの軽口 まるでこちらを襲撃したのが何かの間違いだと思わせかねない空気に支配されかかっていたが 目の前の相手は紛う事なき敵、、 それも得体の知れない、未知の脅威を孕んだ強敵だという事を 二人はその歴戦のカンから改めて感じ取る ―――空気が軋む ―――ほどなくして、ここは戦場になる 「この襲撃……当然、我らの素性を知っての事だろうが、、」 不吉な空気を前にして 管理局局員である騎士は最低限の己の務めを果たす 「時空管理局の者に狼藉を働いた罪は決して軽くない… 剣を収めるなら今だぞ?」 「知らねえよ、お前らの事なんぞ 何たってこれから調べるわけだしな」 無駄だと感じながらに示した投降勧告を 予想通り、一蹴した男が肩に担いだ槍を後ろ手に持つ 「戯れた男だ…」 緊張感でギチギチと硬直していく大気が肌を刺し 心臓を、呼吸を圧迫する空気こそ 戦闘が開始される、その直前の戦場の空気―― 精神のギアを一気に臨界に持っていくシグナム 「…レヴァンティン」 ―――Die Zustimmung そして己が相棒、炎の魔剣を雄大に抜き放つ デバイスに搭載された擬似人格が 彼女の呼びかけに対し、甲高い声で答えた だが、、 「「!!」」 その、今まさに動こうとした相手の怪人が シグナムの言葉に表情を一変させる 「レヴァンテイン―――レーヴァテインか、、」 常に余裕を称えていた男の表情から 薄い笑みが消え、その声が微かに強張る 「とすると彼女は………スルト、、いや、シンモラ?」 紫の女の声も僅かながら半トーン上がっている 「……?」 その相手の動揺を称えた空気に 踏み出したシグナムの方が微かに戸惑ってしまう 「おいライダー、お前比較的近くの出自だろうが アレは――そうなのか?」 「――、」 二人の怪人の目は騎士、、 否、その右手に握られる剣に釘付けだ 「そこまでのモノは感じない……というか魔力すら感じ取れませんが 私には特別な事は何も――― 要は貴方が感じている認識と同じ、という事です」 「何だよおい、、バッタもんかよ……ふざけやがって」 「何をごちゃごちゃと言っている!?」 己の戦気を叩きつけてなお、微動だにしない まるで暖簾に腕押しだ と思えば、こちらの与り知らぬ事で何かを含む態度を取る この相手、、無性にやりにくい―― もっとももはや相手に足並みを揃えてやる必要など微塵も無い また一歩、間合いを詰めるシグナムが、容赦なくプレッシャーをかけていく ―― どちらが動く? ―― どう動く? フェイトが、シグナムが相手の挙動 その視線から指の先に至るまでを凝視し 相手の初動を見逃さぬようにしながら有利なポジションを取ろうと行動を開始する シグナムは槍の男を牽制―― フェイトは拘束魔法、ライトニングバインドの詠唱を―― 互いに意思疎通が無くても、10年来のパートナー 既に互いのやる事は分かっていた だが、、、ジリジリと距離を狭めるシグナムの後方で 摺り足で相手の側面に回り込もうとしていたフェイトの ある種第六感ともいうべき感覚が―― 己に降りかかる死の予感を感じ取り、背筋を凍らせる その瞬間、、 対峙する四つの影のうち 紫紺の女怪の体が――爆ぜた その長く美しい髪がゆらりと揺れたかと思ったら 常人には気づく事すら出来ない、全く予備動作無しの踏み込みで 援護のポジションにつこうとしたフェイトに紫の閃光となって襲い掛かったのだ 「なっ!!?」 それは信じられないほどの――恐ろしい速度 下手をすればフェイト自身のトップスピードに匹敵する速さだった 「くうッッッ!!!!?」 一番初めに動いたライダーの一撃目を何とかバックステップでかわす黒衣の魔道士だったが 大きくバランスを崩した身体はそのまま押し切られ、シグナムとの距離を離されてしまう 「気が早えなオイ……これだから物の怪の類は、、」 少し憮然となる男 開幕の一撃は誰にも譲らない筈だったのに よりによって一番槍を騎兵に横取りされてしまった… これでは最速の槍兵の立つ瀬が無い (テスタロッサ!) (だ、大丈夫です、何とか…… こうなってしまったら仕方がありません) ともあれ、交戦開始と共に 分断されたフェイトとシグナムがすかさず念話のチャンネルを開く (互いにフォロー出来る距離を最低限保ちつつ、可能であれば説得――) (やむを得ぬ場合は各個撃破だな……了解だ) もはや不意をつかれたという焦りも分断された不安も微塵も無い そこには互いに対する信頼感 相手が何であれ、このパートナーが一対一で簡単にやられる筈がないという絶対の確信があった (無理はしないで下さい…何かあったらいつでも――) (誰にものを言っている?) そこで念話は切れた フェイトとあの女の戦闘が本格的に始まったのだ ともあれ方針は決まった こちらも後は目の前の相手に集中するのみ 幾多の戦場を共に駆け抜けた己が愛剣を携える女剣士 その騎士の眼前 視線の先には禍々しい光沢を放つ紅き長槍―― その先端が陽炎のようにゆらゆらと揺らめいていた 「仲間がやべえってのに余裕じゃねえか?」 「生憎だが見かけと違い、そこらの無頼に遅れを取るほど 可愛げのある奴ではないのでな」 その槍から一寸も目を離さずに答えるシグナム 「―――無頼?」 相手の男の空気は掴み所が無い 隙あらば一撃で仕留めてやろうと構える将であったが、、 一見、どうとでも打ち込めそうなこの男は その実、こちらの間合いを悉く外すように槍の先で牽制してくる 故に迂闊に打ち込めない 「は、、ははは、無頼か! こりゃいい!! 言い得て妙だな! 確かにある意味、無頼の塊だわ……あの女は」 元絶世の美しさを誇る女神でありながら 神話において数多くの英雄の命を食らい続けた札付きの無頼女 その顔を思い出し、含み笑いの止まらない槍兵であるが、、 そんな緊張感のない相手にペースを掴まれるわけにはいかない 「もう一度確認する 私は管理局所属、機動6課ライトニング隊所属の騎士だ それを知りながら、お前は私に剣を向ける―――これで間違いは無いな?」 「だから知らねえっつってんだろうが」 微妙にズレた会話を続ける両者であった お互い、ここまで意思の疎通が成り立たない相手も珍しい 「現世にも色々な機関があるんだろうさ、、はっきり言ってそこはどうでもいい 元より俺の与り知る事じゃねえよ」 「そうか…ならば局員襲撃の現行犯だ 抵抗するならば、こちらも武力行使せざるを得ん」 「なかなかに強気な姉ちゃんだがよ、大丈夫かい? 初めに串刺しになりかけたの忘れたわけでもあるまい」 「……もう一度やってみろ、、 その右手に永遠の別れを告げる事になる」 「おお、怖え怖え…」 目に見えて火花を散らす両者 自分から隙を見せない槍兵に対し シグナムは変わらずプレッシャーをかける 「久方ぶりの槍働きなんだ…身体を慣らしたいんでな せめて二分はもってくれよ? 騎士の姉ちゃん」 「慣らすのは良いが五体満足で家に返してやれる自信が無い お前のような無礼者相手に手加減などする気はないのでな、、悪く思うな」 「ふざけろ、、いらねえよそんなもん」 尻上がりに上がっていく戦意 ぶつかり合う殺気 こういった舌戦もまた、戦いに生きる者にとっては心地よい (しかしまあ、、、) 威勢の良い相手だとランサーはほくそ笑む 事もあろうかサーヴァントを…… しかもこの「猛犬」を捕まえて手加減が云々などと、、 売り言葉に買い言葉で口走ったとはいえ 思わずぽかんと口を開けてバカ面を晒すところだった 結構、、得物の活きが良いのはいいことだ くく、と笑うサーヴァント その声が……… 次第にくぐもったものに変わる それはまるで、獰猛な魔獣の唸り声のようだった 「さて――おっぱじめるかい? こちらも」 いつまでも口喧嘩などに興を割いていては 逆に場がしらける フェイトテスタロッサハラオウンとサーヴァント=ライダーが交戦状態に入ってから遅れる事、一刻―― 男の、その揺らめく槍の穂先が ゆっくりとシグナムに向けて構えられる ―― それはどちらが示し合わせたわけでもなく行われる ―― シグナムもまた相手に 熱気漂わせる炎の剣を向ける ―― 戦士と戦士との間に交わされる暗黙の契約 ―― その槍と剣が中央にてコツン、と当たった瞬間、、 弾かれたように後方へ飛び退る両者 ―― 例え相手の凶刃にかかったとて、恨みっこ無しという ―― 女にとって男は、問答無用でこちらを亡き者にしようとした暴漢という認識は些かも変わらない 男にとって女は、ただ命じられるままに殺すだけの標的でしかない 意見を交わす事もなく、話も通じず 苛立だしい相手であり、今の時点では何の価値も認め合えない者同士 だが、、それでもこの武の誓いを交し合える程度には 二人は武に身を捧げた同士という事になる 「改めて名乗りを上げよう……我が名はシグナム 古代ベルカの騎士ヴォルケンリッター、烈火の将シグナムだ」 「………」 「貴様も名乗れ……槍の男」 「、、、、」 こちらに堂々と名乗りを上げ しかもサーヴァントに素性を明かせとは―― (つってもなぁ…) 本気で困ったような顔をするランサーである ともあれ正直、名乗ってやりたい衝動には駆られていたのだ 男にとってもこういうノリは嫌いではないし 目の前の女剣士の気概、潔さにも好感を持てる だが、、、自分は聖杯戦争におけるサーヴァント その自分に科せられた最低限のルール セオリーを無視するわけにはいかない 「俺はお前さんに取っちゃ今や無頼の罪人認定だからな…… 名乗るわけにはいかねえよ ただの―――――ランサーだ」 そう言って突き出したのは 男の唯一の武装である真紅の槍 「あとはそうだな……こいつにでも聞いてくれ」 それこそが、この男の出自を雄弁に語る かの英雄の手で踊り狂い、千の血を吸った呪いの魔槍―― それは男にとっても精一杯の、シグナムの名乗りに対する礼であったのだが…… ついには、この女剣士には伝わらなかった そう、地球の伝承を全くといって良いほど知らないこの騎士に それが伝わるはずもない 「ならば、、来い―――ランサー」 「へっ、、上等だ」 他人が見ればアナクロな決闘風景と笑うだろう だが武に生きる者にとってはその空気がひたすらに心地よい 言葉ではちぐはぐだった二人だが 彼らは結局、剣を交えてのみでしか 互いを理解しあえない人種なのかも知れない 両の手で槍を回転させ 低い姿勢からの下段の構えにて構えるランサーと 片手剣のまま仁王立ちで その魔力を解放させ、炎を纏いて相手を威圧するシグナム 百戦錬磨の闘将とケルト神話の英霊 その壮絶なる戦いの火蓋が今―――切って落とされようとしていた ――――――
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イレーヌデュビュイソンドロングプレ(イレーヌ・デュ・ビュイソン・ド・ロングプレ) フランス王の系譜に登場する人物。 関連: ルイジュウゴセイ (ルイ15世、夫) ジュリーフィユル (ジュリー・フィユル、子)
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初期プロテクト外選手利用 自球団選手 獲得可能選手(球団名) 多村仁 上原・高橋由伸(巨人)カブレラ・松井(西武)前川・中村・ローズ(牛) 平下晃司 高橋由伸(巨人)井川・濱中(虎)井口(鷹) 牧野塁 五十嵐亮太・岩村・ペタジーニ(ヤクルト)カブレラ(西武)ローズ(牛)黒木・小野(ロッテ) ※この表はキャンプ地元、解雇者なしの状況で3月1週前半に調べた物です。 それ以外の状況では結果が変わる可能性があります。 ※上からおおよそトレード価値が高い選手順に並んでいます。 ただし正確には計れないので、あくまでも目安と考えて下さい。 ※その他にトレード価値の高い選手は 坪井智哉・木村一喜・立川隆史・岩隈久志・高山久など。 ※多村仁 は在籍年数の関係で獲得できない選手を除くと、 松井(巨人)城島(鷹)以外の全ての選手とトレード可能。 ※松井(巨人)城島(鷹)は五十嵐亮太(ヤクルト)などの 選手とトレード可能。